株主の保護 Shareholder Ombudsman, necessary. 2003 5 28

 もうずいぶん前から株式市場は、変調をきたしていたにもかかわらず、
会社員が自分の給料で自社株を購入し、所有しているケースが多い。
少ない給料でもコツコツと何年もかけて自社株を買ってきたので、
合計すれば、かなりの株数になる。
 株主になるということは、その会社が経営危機になれば、
株主責任が問われるというのに、その自覚もなく、
会社員が自社株を結果的に大量に所有している場合もある。
 経営状態がよく、株価が上昇しているのならば、ともかく、
経営状態が悪く、株価がひたすら下落しているにもかかわらず、
また、時には、無茶な経営が判明して、株価が暴落しても、
自社株を所有している会社員は、
会社では自社株を売りにくい環境にあり、何もできない。
 会社が経営危機で、もしかすると、
その会社員がリストラされるというリスクがある上に、
自社株を大量に所有していて、二重にリスクとなっている。
 見ていて実に気の毒です。
こういう気の毒で無力な株主が、実はまだ、いっぱい、いるのです。
 だから、会社が経営危機になるということは、
給料が下がる上に、所有している自社株も価値が低下するという
二重の損害を受けるのです。
 会社が万が一、破綻する前に、いくらかでも株価が上昇し、
その間に、会社員が自社株をなんとか売却して欲しいと願うのは、
株式市場をよく知っている投資家ならば、当然なのです。
 今までの時代は、株を買って、何もしなくても、放置しておいただけでも
株価が上昇してきた時代でした。
 しかし、これからの時代は、
経営内容や決算内容が厳しくチェックされる時代なのです。
こういう審判を経てから、初めて株価が上昇する時代なのです。
 だから、自社株サラリーマンと言えども、
自分の会社の経営内容や決算内容を審判しなければならないのです。
これができないならば、自社株は直ちに売却すべきです。
 決算書を見るのは、そんなに難しくありません。
私も大学生の時、先輩から、もしサラリーマンになるならば、
決算書の知識は、サラリーマンの常識だぞと言われて、
決算書の本を渡されました。教授からも同じような趣旨のことを言われました。
 今の決算書の入門書は、あの当時の本より、
絵やグラフが多く、非常にわかりやすくなっています。
マンガの入門書すらあります。
 決算書の知識は、サラリーマンの常識というか、
持っていなければならない教養の一部です。
サラリーマンで決算書がわからないと言うのは、無教養の極まりです。
 今の入門書は、図解や絵ばかりで、楽に読めます。
おそらく、ターゲットを高校生レベルにしてあると思います。
そういうわけで肩がこらずに読めると思います。